MF

Zeiss Planar T* 1.4/85mm ZF.2

最近AFは高性能で便利だ。
D3sには色々なAFモードが有り51点3Dだの被写体追尾AFなど、単にピント合わせが高速なだけでなくシーンに応じた機能が用意されている。
どんなに高性能になっても機械の仕事、オペレーターが適切な指示を出してやらないと生かすことはできない。
高性能なAFにも苦手な被写体は多い。
・コントラスト、凹凸のない被写体や、パターン模様、暗所など。
・奥行きの広い空間に前後いろいろなものが数多くあるようなシーン。
・激しく前後不規則に動き回る被写体。

AFの設定で、下二つはなんとかなるが、3拍子そろってしまった場合は諦めるしかない。
これらの設定を駆使するためには、MF(マニュアル)でピント合わせの基本が必要だ。

①コンデジの上位モデルと②レンズ交換できる上位モデルでは、実装される技術、機能に求められるものが違う。
『どんな被写体にも、構図だけ見てカメラを向けて何も考えずシャッターを切ればきちんと写る。』
を比較した場合、①★★★★★に対し、②は、★だと思ってよい。
これは、ピントに限らず、手ぶれや露出などにも言える。
それを求めるのであれば、コンデジが最も高性能だ。

MFでのピント合わせは難しい・・・?
はじめは、抵抗あるかもしれない。慣れは必要だ。AF前提のレンズの場合ピン合わせのリングがスカスカだったりしてやりつらいこともあるが、ピント合わせは難しくない。

気にすることは以下の2つ
1.焦点距離と絞りに応じた被写界深度。
2.使うレンズに書かれる撮影距離に応じた目印。

WikiやGoogleで検索する必要もない。

1. AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G 付属マニュアル98ページ

2. レンズ本体

1.の表を難しく解析してすべてを理解する必要はない。
∞と書かれているのは、こっからさきはピント合わせ必要ないよ!という距離。
例として、f8の∞をみてみると、10.09メーターから∞と書かれている。
つまり、絞りを8にした場合、このレンズは10メーターから先はピント合わせ必要なしということ。
実際のシーンを想定すると、風景撮りで10メーター未満にあるものはボケ、以上にあるものはピントが来るということになる。遠くのものは細部が小さく写るので拡大すると解像度が欠けるが、これはピンボケとは違う。
レンズとカメラの故障でなければ、この距離できになるボケがあるとすればそれは、手ぶれか被写体ブレである。風景撮りの人が三脚を使うのはこれを回避するため。
些細な振動も影響するので、一眼レフの場合ミラーアップした状態で撮影したりもする。
高速シャッターを切ることで回避もできるが、肉眼で見える被写体ブレを表現できないため出来た写真が違ってくる。
次の例として、スナップ写真をとる場合を想定してみる。
F11まで絞り、2.の写真にあるピントメモリを3mにあわせておけば2.15m-5.07mの幅でピント合わせが不要となる。室内撮影(宴会など)でここまで絞るのはなかなか難しいが、いわゆるプロが大光量の大型ストロボを装備してスナップ撮りするのはこれを可能にするためである。
D3sの場合高感度ISOによりストロボなしでもこれを可能にできるが、いろいろな照明が入り混じる室内の場合、ホワイトバラスが安定しない。コマ数多い依頼仕事の場合、写真の調子をあるていど均一にする必要があることとその処理の手間を省くため、やはり大型ストロボで他の色温度をふっ飛ばしてしまう必要がある。
コマ数が少なくても、大人数の集合写真などの場合、最前列から後列までの距離に合わせた被写界深度を稼ぐ必要があり、光が必要になる。この場合光源を一定に測れるので高感度ISOでも対応しやすい。

ちなみにレンズはその焦点距離で、絞りとは別に被写界深度(ピントの合う幅)が大きく違う。

AF NIKKOR 24mm f/2.8D付属マニュアル

このレンズの場合f8まで絞ると、2.31メートル以上はピント合わせの必要が無いw
絞りメモリを2メーターに合わせておけば、1.11-14.8メーターまでピントが来る。
24mmはちと広角すぎるが、スナップ撮りに35mあたりが便利よ!てのは、このことを言ってる。
画像多くなりすぎるので、35mmのマニュアル抜粋は省略。
コンデジに広角が多い理由の一つでもある。
ピント合わせてるふりしてるがじつは、ほとんどAFなんてつかっちゃいないw

なにはともあれ、MFピン合わせができるカメラとレンズを持っているのであれば、実際試して感じてほしい。俺は最近付けっぱなしのZeiss Planar T* 1.4/85mm ZF.2(AF無)で撮りまくって納得した。
このレンズは、MF前提の作りなので、ピントダイヤルの幅が広く回すときのトルク感があり、ピント合わせが楽しくなる。唯一困るのが、F開放付近のピン合わせでD3sのピントグラス(ファイダー内部)がAF用なので、肉眼で微妙なピントが見れないことだ。電子センサーでピント●が付くのである程度絞ればそれで十分なのだが、このレンズの場合、ピントダイヤル回転幅で5㎜ほど●点灯にラチュードがある。アナログ時代のFシリーズは、カメラの頭をはずし自分でピングラを交換できたので、好み(中心に小さな円があり縦に割られこのズレで確認するなど)や撮影場所にあわせ選ぶことができたのだが、メーカーに聞いてもD3はこれができない。
しかし、そこまで本気でピン合わせる機会はすくなく、そういう時は脚立てるのでライブビューモードにして合わせたい部分を拡大し目視であわせればどんぴしゃり合わせることができるから問題ない。

でも、AFは常に忙しく駆動しピントを探して合わせてるよね?
合わせる必要がなくても、ピントを探るためにレンズを回し結果同じ場所に止めているのです・・
だまされてはいけないw所詮 機械だからさ!


下のスライドショーは、85mmレンズでf8に固定しあらかじめピントを目算距離で7、8メーターのところにダイヤルを合わせ、そのご動かさずに前から来る都電を数枚とってみた。


タイトルの写真はピンを甘くしたい絵だったが、下はピシャリとピントがほしい絵。拡大すると軍手の織目まで見える。

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