毒耐性 (まぜるな危険)

少し前に、久しぶりに妻と銭湯に行ってきた。
自宅から歩いて行けると個処に何件かあるが、その中でもいまだに煙突を守り木材を燃やし窯で湯を沸かしている1件がお気に入りでたまに行くことにしている。
実は、池袋に近い裏道に外観も中も昭和を感じさせるイカシタ銭湯があるのだが、ここはいまだ番台があり、一度妻と行ったのだが
「どこに立っても番台のおじさんかんら丸見えなの><もう行きたくない」
「このドMがっ!エロ親父に見られて喜びやがって!」    ミス。。。
それからネタとして「そこにするか?」と言いだしはするが嫌がるので行くことはなくなった。
話を戻して、自宅から近い銭湯だが、ここは番台がなく受付にかわってるが外観と中は昭和の名残がある。
そこに行ってとてもがっかりした。あきらかに掃除が行き届いてない。妻の話では女風呂のおばさま方も中でそんな話をしていたらしい。受付に座るのは年齢からみて三代目?銭湯経営の拘りが欠けてしまっているのだろうと話しながら家に帰ったことがある。
昔、仕事の取引先で銭湯を都内に数十件経営している地主のおっさんを思い出した。銭湯は大きな敷地が必要となりそれを維持するのは、自宅に風呂付があたり前のいまはとても厳しい、それを保有しているだけでなく他にもマンションや駐車場をいくつも持っているのでやっていけると話していた。
まだ今より景気が良い時代だったので銀行や不動産会社などが数多く有効利用に押しかけ迷惑もしていたようだ。
そのおっさんに会いに行くと日中は必ず自分がいる銭湯の掃除をしていた。人に任せることもなくサルマタ一枚で鉢巻まいて汗みどろになりながら毎日風呂を磨いている。不動産収入だけで十分セレブな生活ができそうなおっさんが、365日朝から晩までサルマタ一枚で大きなブラシを友に風呂を磨いている。「うちは代々銭湯だ。こんな仕事好きじゃなきゃやってられないよ」拘りをもった本物がする仕事にはつきもの言葉だ。

前振りが長くなった・・

朝TVを見ていたら銭湯の裏舞台が特集されていて、どこかの銭湯のおっさんが上に書いたように毎日精魂こめて風呂磨きをしていた。

無性に風呂を磨きたくなった!
というわけで近所のドラッグストアーに出かけ掃除薬品を吟味する。
眉間にしわ寄せグラサンかけたおっさんが10分以上風呂掃除用品が陳列している棚の前を占有していて、アルバイトのお姉さんはさぞ警戒しただろう・・商品を選び終えレジに行くと店員はやたらと緊張しているようで対応がよかた。
家に戻り、買ってきたものを見て妻があきれたのは言うまでもないが、派手に書かれる注意に興味を持った。「まぜるな危険」酸性薬品とまぜることで塩素ガスが発生するらしい・・
購入した洗剤を同時に使用すれば塩素ガスが発生しそうだ。さいわい塩酸系のものがないので激しくガスが発生することはなさそうだ。とはいえ同時に使用しなければ買ってきた意味がない。混合するつもりはないな場所ごとにこれを使うとイメージしながら選んだからだ。
実際、我が家の浴室は、妻がこまめに掃除しているのできれいである。あえて掃除する必要もない。
とはいえ、一人暮らしで風呂掃除してなさそうな見ず知らずの人の家に押しかけ磨かせろ!ってわけにもいかないので、自宅の浴室を磨くしかない。
やるからには結果を出さねばならない。妻の仕事に手を出すわけだから半端な覚悟じゃだめだ。
塩素ガスの特性を調べた上ミッションを開始することにした。
軍用の防毒マスクを装着するか、業務用の強制排気チューブを浴室まで引きこめば安全に済ますこともできるが、それでは覚悟を決めたとはいえない。
有毒ガスが散乱するなか、手ぬぐいまいて命がけで働いた採掘現場の男たちのことを考えた。
使用する薬品の量から発生すると予測されるガスと浴室に備えつけの換気扇を使用することで、装備無しで、致死量には至らないと判断した。また東京で生まれ育った俺にはある程度の毒への耐性もあるはずだ。
ミッション中、塩素ガス特有の症状をなんどか感じたが持ちこたえる事が出来た。
数時間かけて、本気で磨いた結果満足のいく仕上がりとなった。
薬品やガスの残留をなくすためその後念入りに換気とシャワーによる放水を長時間続け、妻や娘が入っても安全なようにした。

その後数時間たち、目と肺に多少の違和感はあるが時とともに回復しているのでたぶん問題ないだろう。
まぜるな危険は絶対に混ぜないこと。






2 件のコメント:

Alf Giuliano さんのコメント...

ちょw
なにやってんすかwww

匿名 さんのコメント...

さらに強力な続編を待つ!!

Usanより