サバイバル


義母の容体が安定したので、急きょ夏の旅行を計画。
今年の夏休みは、でび流の原点に戻りサバイバルツアーとした。
家族旅行が主となってから、至れり尽くせりの旅行をであったが、おかげで子供達がちと贅沢になってしまった。昨年長女は中学の修学旅行に言ってきたのだが、移動が不便、ホテルが古い、清掃が行き届いてない、食事が、、、などとあまり満足できなかったと残念がっていた。子供のくせに生意気な!とはいえ修学旅行を十分に楽しめなかったのは俺の責任である。
釣り道具、米、調味料、必要最低限の装備を用意し、12時間ほど船に揺られ神々が住むと言われる某島に家族5人で上陸した。
ここは無人島と言うわけではないが、島の西側に集落があるだけで、山を挟んだ東側には何一つない。無論キャンプはそこに張る。
唯一の喜びとなるはずの青い空と海、白い砂浜も到着した日の悪天候でどんよりとくすみ、じめじめとやたら湿度がたかく東に抜けるジャングルは子供達と妻を不安にさせたはずだ。
食材を調達するため、小雨交じりの薄暗い天気の中海岸に向かい竿を出すが、うねりと濁りのせいか全く釣れない。
予定では、4日分の魚を釣り上げ、干物や塩漬けにして保存するつもりであったが、結局釣れたのは、手のひらサイズの魚が3枚だった。晩飯に、鱗とはらわたをだし鉄串に刺した生の魚を3人の娘たちに配った。娘たちは器用に焚火で魚をあぶり、美味そうに焼き上げきれいに食べた。長女と3女は普段は、魚は嫌いと言ってほとんど口にしないが、朝から水だけしか飲まずで腹ペコなので唯一の食料が渡された串に刺したみたこともない魚であっても焦がさないように気を使いながら大事にしていた。
魚が3匹だったので、俺と妻は飯抜きなのは言うまでもない。
あえて、照明器具を持参しなかったので、その日は日暮れとともに寝た。
この手のキャンプに持参するテントは、いざとなれば捨てられる年季の入ったボロが良い。潮風にさらされ帰ってからのメンテが大変なのと、現地で気を使う必要がないからだ。コールマンの5人用は、もともとオートキャンプようなので居住空間が広く快適だが、天井が高いので風に弱く強風だとぺちゃんこに潰れてしまう。しかし頑丈なので張り綱を上手く調整し立木や遮蔽物を利用し的確な場所に建て別にシートなどで加工すれば家ができる。今は一掃されどこに散ったかしらないが、数年前までものすごい数のホームレスキャンプがあった新宿中央公園には、台風にも耐える立派なカスタムテント住宅がたくさんあった。その多くにコールマンが使用されていた。キャンプに凝っていたころ出来の良いテントを見かけると、ホームレスに声をかけいろいろ教えてもらった経験が生きる。彼らは声をかけるととても丁寧親切にいろいろな技を教えてくれる。ホームレスになる前何をしていたのか?まではあえて聞かないがかなりのスキルを持った人も多くいたはずだ。
寝ていると夜中にものすごい音で5人飛び起きる。大雨だ。テントは激しい雨を浴びるとものすごい音が鳴る。周りに水濠を掘っていなかったのでしだいに周りから水没し皆中心に集まり寝続けたが、足から濡れてくる。ジタバタしても仕方がないので朝まで寝続けた。
日が出ると雨が上がっていたので、岩場に潜りタコと魚を一匹突き食えそうな海藻を手に入れた。夜中の大雨で焚火を起こすのに多少手間取ったが、持参した米も炊き腹いっぱいに食うことができた。
雨は止んだが相変わらずの天気だ。海岸沿いに南の岬を目指していくと天然の飛び込み台があったのでそこで遊ぶことにした。ちょうど引き潮で水面までの高さは10メーターほど下を潜って確認すると危険な海流も岩もなく十分な水深であった。長女は度胸があるというか、物事深く考えないというか、俺の言うことを何も疑わないからなのか?「パパここ飛んでも平気?」と聞くので下は安全だと答えるとその数秒後にはダイブしていた。色々考える次女は、先端を何度も何度も往復し飛ぶまでに1時間ぐらいかけていた。慎重な3女がそれを確認して飛ぶころには潮が満ちてきて多少低くなっていた。
慣れるとポンポン飛ぶようになり怖がりの妻以外ここを楽しむことができた。
3日目、天気は回復しこの島の本来の景色が広がった。到着した日がこれであれば、喜びと感動から過酷なキャンプで絶望のパターンを味わいよい経験となったが、3日経ち耐性が付いてる彼女たちはこの日の天気と景色にただ喜びを感じるだけであとの苦痛はない。
本当は帰る日までここに居続けるつもりだったが、この2日十分にサバイバルを味わったので西側の集落に行ってみることにした。来るときは車で送ってもらったが、こちら側には人がいないので帰りの日までは迎えはない。山道を7キロほど歩くことにした。こうなると回復した天気が辛いものとなる。島の日差しは木々の間から肌を刺し、日蔭は雨の時とどこに身を隠していた虫たちが飛び回る。自宅にいるときは、まれに小さな虫1匹迷い込んできただけで大騒ぎになる女達もこれだけ数が多いと普通に追い払っている。とはいえこの日差し、気温と湿度のなか7キロの山道は辛い。車の音がした。車は目の前で止まり「あの、、なにしてるんですか^^;」とビックリしていた。わけを話すと集落まで乗せてくれるといわれる。この行軍を途中でやめるのはもったいないが、時間の短縮になるので好意を受けることにした。
西側には、お金で買えるリゾートがある。最後の晩だし、部屋を取ってサンセットビーチでも眺め酒を飲むか!と一瞬よぎるが、今回の旅行の趣旨ではないので封じ込める。
しかし、ダイビングショップが気になりビーチで娘たちが遊んでいる間に覗いてみるとライセンスなしでで体験させてくれるらしい。うちの娘たちは海に行っても魚が怖いとと言ってその気配を感じると大騒ぎをして水から上がってしまっていたのだが、串焼きの魚を食ったおかげか、この旅行で魚が怖くなくなったようだ。昨日もシュノーケリングで魚をみて喜んでいた。ならば潜らせよう!同意なしに高校生の長女のダイビングを申し込む。申し込んだことを妻に聞かされ、俺がほかを回っている時少しふて寝したらしいが、もどるころには覚悟を決めていた。俺自身は15年ほど前にライセンスを取ってそれっきり一度も機材をつけてのダイビングはしたことはないが、ダイバーということで細かいことは言わず、フリーで機材を借り娘のダイビングを横から見守ることにした。車に家族全員乗せてもらい、ダイビングスポットまで移動し準備を待つ。娘がインストラクターの綺麗なお姉さんに手取り足とり教えてもらっているのを俺はベテランダイバーのふりをしながら盗み聞きして15年前の手順の記憶をリロードする。
着水するころにはロード完了すべて自然に扱えるようになった。
約30分ほど海中でインストラクターに連れ添われる娘のダイビングをみて楽しむことができた。お姉さんも吃驚するほど長女は上手に潜り魚や海中に興味をもち楽しんでいた。

妹二人は海の中に消え30分も上がってこない姉を本気で心配していたようだ。
浮き上がるのを遠目に見守る3女(上)
駆けつけて手を貸そうとする次女(下)
「パパぁ今日は宿に泊まらない?」
娘の笑顔に負けそうになるが、ダイビングショップの人に車でキャンプまで送ってもらった。一瞬の快適を味わってしまい。戻って食材調達する気力が欠けてしまったので、肉や魚と飲み物をしこたまデリバリーしてもらい星空の中、最後の晩餐を飾ってしまった。
野郎同士のサバイバルは、辛さに耐える楽しみがあるが、やはり家族との旅行は快適なほうが良いとおもった。素直に喜ぶ妻や娘の顔をみるほうが親父として幸せだw

1 件のコメント:

Alf Giuliano さんのコメント...

相変わらず、



なにやってんすか?wwww